顎が後ろに引っ込んでいる

下顎後退症は顎変形症の1つです。下顎後退症は、見た目が悪いだけでなく、”かみ合わせが悪い”・”いびきをかく”・”睡眠時無呼吸症候群”の原因になるなど、機能面でのデメリットを生じる原因となりえます。

下顎後退症を手術的に改善する場合には、顎変形症治療の実績がある顎口腔機能診断施設や口腔外科で治療することが望ましいといえます。 ここでは「下顎後退症かな?」と心配を抱えている人に向けて、症状や手術で治療するメリットを解説します。 ※ 睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合には、耳鼻科や睡眠センターなどで精査してもらう必要があります。

 

下顎後退症の特徴と原因

下顎後退症は下顎が通常以上に、内側に引っ込んでしまっている症状です。下顎が外側に突出する下顎前突症(しゃくれ・受け口)に比べると、あまり聞きなれない症状名だと思います。
しゃくれや受け口、上顎の出っ歯などに比べると認知度が低いことや、外見に現れにくいことがその理由でしょう。ただ、顔を横からみると顎がないように見えるため、容姿にコンプレックスを持っている人が多い症状です。

また、下顎が後方にあるために舌も後方になり、結果として気道が狭くなる傾向にあります。気道が狭くなりますと”いびき”をかいたり、睡眠中に呼吸が止まってしまう”睡眠時無呼吸症候群”を引き起こしてしまうこともあります。

下顎後退症になる原因は、詳しくはわかっていません。
遺伝的な影響や、幼児期の指しゃぶり、舌突出癖といった習癖が原因と言われます。

 

下顎後退症の機能面でのデメリット

下顎後退症の方では、以下のような機能的問題(症状)が起こることがあります。

  • 上下の歯のかみ合わせが悪い・前歯で食べ物が咬めない
  • いびきがうるさいと指摘される。
  • 口が閉じにくい。(口を閉じる時に下顎にシワができる)
  • 寝ている時に呼吸が止まると指摘される。(睡眠時無呼吸症候群)
  • 顎周辺の関節が痛む(顎関節症のリスクが高まる)

こうしたデメリットは、放置しておいて改善するものではありません。

特に『睡眠時無呼吸症候群』は命に係る病気ですので、早期に治療することをおすすめします。 また治療は、矯正治療だけではなく外科的手術が必要となる場合もあります。 いびきや睡眠の改善であれば専用のマウスピースを使うことにより改善させることも可能です

 

手術することのメリットは?

手術では、主に上顎や下顎全体を移動させる骨切り手術が行われます。矯正治療では歯を移動させることはできますが、顎の骨を土台から動かすことはできません。手術であればより確実な成果が期待でき、審美的にも大きな変化が得られます。この点が、手術で下顎後退症を治療するメリットです。

また、確実な成果が期待できるということは、機能面でのデメリットも改善できるということです。
かみ合わせのバランスが悪い、口が閉じにくい、顎の関節が痛む、といった症状を改善したり、発症するリスクを抑えたりすることが期待できます。

下顎後退症に限らず、顎変形症の手術をする上での最大のポイントは「どの歯科医院・クリニックを受診するか」です。顎変形症の手術は難易度の高い手術です。より確実に高い成果を得るために、顎変形症の治療実績がある信頼できる歯科医院・クリニックで治療を受けるようにしましょう。

 

下記のページではセルフチェックを行うこともできます。
セルフチェックページはこちら

下顎後退症の手術動画

上下顎骨切り手術により機能と形態の調和を整えます。